まるで別世界にいた大塚が建築業界に魅かれた理由-その1
オーストラリアで学ぶ1年を終えて、日本のある学校のそばに拠点を見つけようとした時だった。何しろ帰国直後で、まだ住所不定、無職だし、貯金も使い果たし、しかも当時はまだ当たり前だった保証人も無かった。簡単に言えば「どこも借りれない人」だったわけだ。
数件の近隣の不動産屋で断られ、この地域がたまたまそうなのかしら?と試しに同じ県内だが比較的遠い Y不動産へ行ったが、結果は同じだった。
ただ一つ違ったのは、担当してくれた当時専務をされていたMさんが、片道45分も運転をして現地を案内して下さったこと。物件の見方などいろいろと説明してくれているMさんの話は、丁寧なだけでなく、あまりにおもしろくて、、、語られているその世界に、大塚はすっかり魅せられてしまったのでした。
帰り道、同じ景色のはずの家並みが、見惚れる程キラキラして見え、自分がこの先どんな暮らしをしたいのかイメージでき、あとはどうすればその通りになるか見つけるだけだった。 そして、、、
つい先ほどまでは 「日本のどこにも住めないかも?」 と自分のことを思っていた大塚はこの時、自分の口が、これまでには全く考えたこともなかったようなことを言うのを聞いて、驚いた。
「既に建っている戸建を全額キャッシュで買うならアリ???」
******* つづく *******